例年、夏は高温ですが、最近の暑さは一段と厳しいものがあります。
メディアでは猛暑日に関する報道が頻繁になされ、熱中症対策の必要性が強調されています。
しかし、「猛暑」という言葉が具体的に指すものは何か、詳しく知らない人も多いでしょう。
猛暑は一体何度以上のことを指すのか、そしてそのような高温になる原因は何か?
また、聞くことのある「酷暑」や「炎暑」という言葉との違いは何でしょうか?
ここで、猛暑について深く掘り下げてみましょう。
猛暑の概念
猛暑とは、通常の気温よりも著しく高くなる状態を指します。
実際に、「猛暑日」という用語が気象庁によって採用されたのは比較的最近で、2007年の4月からその定義に基づいて使われているのです。
特に夏の季節にこの言葉が使用されることが多く、異常な暑さを表現する際に用いられます。
猛暑の定義とは?何度から?
気象庁が定める「猛暑日」の基準は、日中の最高気温が35℃を超える日です。
これに対し、最高気温が30℃以上34.9℃以下の日は「真夏日」と呼ばれています。
つまり、猛暑日は真夏日の基準温度より約5度高いことを意味します。
さらに、最高気温が40℃以上に達するときは、「酷暑日」と表現されることもあります。
夜間に関しては、最低気温が25℃以上の場合「熱帯夜」と呼ばれ、30℃を超えると「超熱帯夜」とされます。
猛暑の発生原因は?
猛暑は、特定の地域が強い高気圧に覆われ、弱い風と共に冷たい空気や湿気が供給されない状況が続くことで発生します。
この状態が持続すると、周辺の気温は急上昇します。
また、フェーン現象やラニーニャ現象も、高温をもたらす重要な要因の一つです。
フェーン現象の詳細
フェーン現象は、湿った空気が山脈を越える際に生じる気象現象です。
この過程には以下のステップが含まれます。
- 湿った空気の上昇:山の風上側で湿った空気が上昇し始めると、気温が下がります。このとき、空気中の水蒸気が凝結して雲が形成され、雨が降ります。雨が降ることで空気はさらに乾燥します。
- 乾燥した空気の下降:山を越えた後、空気が下降する際には、標高が低くなるにつれて気温が上昇します。100メートル下降するごとに気温は約1℃上がると言われています。
- 高温の風の影響:乾燥して熱くなった空気が山の風下側に吹き下ろすことで、その地域の気温は一気に上昇します。これがフェーン現象によるものです。
フェーン現象は夏に頻繁に発生し、その影響で極端な高温が現れることがあります。
この高温は熱中症のリスクを高めるため、注意が必要です。
ラニーニャ現象に関して
ラニーニャ現象は、太平洋赤道域において、日付変更線周辺から南米沿岸にかけて海面水温が平年よりも低くなる現象です。
- 貿易風の効果:ラニーニャが発生すると、赤道付近の貿易風が強まり、暖かい海水がアジアへ移動します。この結果、太平洋の高気圧が強化され、日本の周辺気温が上昇します。
- 高気圧の強化と晴天の増加:太平洋高気圧が強まると、日本では晴れの日が増え、日差しも強くなります。これにより、地表の温度が上昇し、猛暑が発生しやすくなります。
- 湿度の低下:ラニーニャ現象により、乾燥した空気が流入することがあります。湿度が低くなると、体感温度がさらに上がり、猛暑の厳しさが増します。
ラニーニャはエルニーニョの逆の現象として知られており、気候に大きな変動をもたらすことがあります。
特に夏期には、猛暑の一因となるため、その影響に警戒が必要です。
猛暑と似た表現とその違いは?酷暑・激暑・炎暑・極暑
猛暑に類似する言葉には、「酷暑(こくしょ)」「激暑(げきしょ)」「炎暑(えんしょ)」「極暑(ごくしょ)」があります。
これらはそれぞれ微妙に異なる意味合いを持っています。
「酷暑」は非常に厳しい暑さを指し、「炎暑」は火のように焼けつくような暑さを表します。
「激暑」は極端に強い暑さを、「極暑」は非常に高温であることや、夏の最も暑い期間を表現します。
猛暑とは何度から始まるのか?原因と似たような暑さの言葉の違いについてまとめ
猛暑が続く日々では、熱中症の危険性が高まるため、しっかりと水分を取り、涼しい場所で適度に休むことが重要です。
自己管理をしっかりしているとはいえ、家族や友人など、熱中症について十分に認識していない人もいます。彼らにも注意を促し、適切な対策を取るようにしましょう。
屋内にいるときも、熱中症になることがありますので、決して油断してはいけません。
どんな環境下でも、猛暑に対する警戒を怠らず、無理をしないよう心がけましょう。