「蘇る」と「甦る」はいずれも「よみがえる」と読まれ、似た意味を持っています。
ただし、よみがえるの漢字の選び方によって少し異なるニュアンスがあります。
日常会話や書かれた文中でどのようにこれらの言葉を使い分けるか、興味を持つ人も多いかと思います。
この記事では、「蘇る」と「甦る」の意味の違いを探り、各言葉が持つ特徴と適切な使用方法について説明しています。
さらに、よびがえるの漢字である「蘇」にまつわる豆知識もご紹介しますね！
「蘇る」の意味と漢字の解説
「蘇る」とは、主に「亡くなった人やものが再び命を得る」という意味で用いられます。
例としては、「亡くなった人がが生き返る」や「生命力が復活する」といったシチュエーションで使われることが一般的ですね。
さらに、「蘇る」は「元の状態へと戻る」という意味も持ちます。この使い方では、「元気が戻る」「希望が再び持てるようになる」といった形で表現されます。
この言葉の起源は「黄泉の国から帰ってくる」という意味に由来し、生還する、つまり生き返ることを指します。
そのため、「蘇」という漢字は、他界という概念と密接に関連して使用されています。
「甦る」の意味と漢字の解説
「甦る」という言葉は、「蘇る」と似ており、「亡くなった状態から復活すること」や「失われたものが戻ってくる」という意味を持ちます。
例えば、「忘れ去られた記憶が戻ってくる」や「深い絶望から抜け出す」といった場合に使われることがあります。
「甦る」は「更生」という「再び生まれ変わる」という意味から派生した比較的新しい言葉で、「蘇る」とは異なる起源を持ちます。
漢字として「甦」は「よみがえる」「蘇生する」という意味があります。
「蘇る」と「甦る」の使い分けは？
用語の使い分けでは、「蘇る」が「逝去からの具体的な生還」を指すのに対し、「甦る」は「衰えたり忘れられたりしたものの回復」に焦点を当てることが多く見られます。
この違いは微細ですが、現代の日本語では、これらの言葉はほぼ同義として扱われることが多いです。
また、これらの漢字が常用漢字に含まれないため、公式文書ではしばしば「よみがえる」と平仮名で表記されます。
よみがえると読めても、漢字で書くとよみがえるの漢字とは…？と手が止まってしまう人もいるかと思います。
豆知識：飛鳥時代に起源を持つ伝統的な乳製品「蘇」
よみがえるの「蘇」という字は、乳製品をさす漢字として使われていました。
「蘇」とは、飛鳥時代にさかのぼる日本古来の乳製品で、「そ」と読みます。
この漢字は、蘇我入鹿といった歴史的人物や、地名である千葉県の蘇我、熊本の阿蘇山などで見られることがあります。
古文書では、「蘇」の製法が「乳汁を煮詰める」と記されていますが、具体的な製造プロセスの詳細は記載されていません。
文献「延喜式」や「政事要略」には製法に関する断片的な情報が含まれているものの、明確なレシピは伝わっていませんが…伝えられるところでは、1リットルの乳から約100ミリリットルの「蘇」が作られるとされています。
「蘇」を現代の調理技術で再現する方法は以下のようになります。
- 深めのフライパンに牛乳を入れ、強火で加熱します。
- 牛乳が焦げないように、継続的にかき混ぜます。
- テフロン加工されたフライパンの使用が推奨されています。
- 1リットルの牛乳を約1時間かけて煮詰める必要があります。
かなり濃縮された牛乳ですよね（笑）
「蘇」は、日本初のチーズともされる伝統的な食品です。
牛乳からチーズに生まれ変わるという意味合いが「蘇」には込められているのかな？と感じました。
