ノアの箱舟の物語は、世界中の多くの人に知られている有名な神話のお話です。
とくに、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などの宗教において、とても大切な出来事として語られています。
この物語は、神さまから選ばれたノアという人物が大きな船を作って、大雨から動物たちと家族を守るお話です。
洪水はとても激しく、地上のほとんどの生き物が流されてしまいました。
でも、ノアは神さまの言うことをよく聞いて、箱舟をつくったので、無事に助かることができたのです。
今回の記事では、そのノアの箱舟に関する「動物の種類」や「乗せる順番」などを、できるだけわかりやすく紹介します。
ノアの箱舟に乗った動物たちはどの順番で乗ったの?
聖書には、動物が乗せられた順番がはっきりとは書かれていません。
しかし、多くの人が考えた説やイメージでは、ある程度の順番が想像されています。
順番 | 内容 |
---|---|
①清浄な動物 | 宗教的に清らかとされる動物。食料や生贄として重要なため、優先された。 |
②家畜 | 牛や羊など、人間の生活を助ける動物。実用性があり、早めに乗せられたとされる。 |
③野生動物 | 自然の中で暮らす動物たち。種の保存のため、順番としては後ろの方だった。 |
④鳥類 | 空を飛べるため、自由に移動できた。おそらく最後に箱舟へ入ってきたと想像される。 |
まず、清らかだとされる動物たちが先に乗せられたのではないかと言われています。
これらの動物は、人の食べ物になったり、生贄に使われたりしたため、とても大切にされたのです。
つぎに、牛や羊、馬などの家畜とされる動物たちが乗せられました。
これらの動物は人の生活にとても役立つため、優先されたと考えられます。
そのあとに、ライオンやクマのような野生の動物たちが入ったとされています。
最後に、空を飛べる鳥たちは、自分たちで飛んできて、船に入ったと考えられるのです。
このように、生き残るために必要な順番で乗ったのではないかと、多くの人が推測しています。
ノアの箱舟に乗った動物たちの種類について
創世記の中では、「すべての息あるもの」が箱舟に乗ったと書かれています。
でも、どの動物が具体的にいたのかは書かれていません。
ですので、現代の人々は、自分たちの知識や想像をもとに、動物の種類を考えています。
分類 | 代表的な動物の例 |
---|---|
哺乳類 | ゾウ、キリン、ライオン、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマなど |
鳥類 | ハト、フクロウ、ツル、カモ、ワシなど |
爬虫類・両生類 | ヘビ、カエル、カメなど |
哺乳類では、ゾウやキリン、クマ、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジなどが乗っていたと考えられています。
鳥では、ハトやワシ、フクロウ、カモなど、さまざまな種類がいたでしょう。
そして、爬虫類や両生類として、ヘビやカエル、カメなどもいたのではないかと推測されています。
特に「清い」とされる動物は、7つのつがい(つまり14頭)ずつ乗せられたという記述があります。
これは、のちの生活の中で生贄に使ったり、食料としたりする必要があったためです。
また、清くない動物は1組(オスとメスのペア)ずつだったとされています。
ノアの箱舟とは?物語をかんたんにおさらい!
昔々、神さまを信じず、悪いことばかりしていた人たちがいました。
そんな中、神さまは「このままではいけない。世界をきれいにしよう」と考えました。
そして、ノアという正しい人に声をかけて、「大きな船を作りなさい」と命じました。
ノアは一生けん命に船を作り、動物たちや家族を船に乗せました。
まわりの人たちは笑っていましたが、やがてとてつもない雨がふり出しました。
その雨は40日間もふり続き、世界中が水におおわれました。
ノアたちが乗った箱舟だけが助かり、ほかの人や生き物たちは流されてしまったのです。
このお話からわかるのは、つねに神さまを信じて行動することが大切だということです。
困ったときだけ、神様を信じたり、祈りごとをするのではだめですよという話ですね。
ノアの箱舟の大きさはどれくらい?
ノアの箱舟のサイズについて、聖書にははっきりと書かれています。
長さはおよそ300キュビト(約135メートル)、幅は50キュビト(約22.5メートル)、高さは30キュビト(約13.5メートル)とされています。
項目 | サイズ |
---|---|
長さ | 約300キュビト(135m) |
幅 | 約50キュビト(22.5m) |
高さ | 約30キュビト(13.5m) |
比較例 | 三十三間堂とほぼ同じ大きさです。 |
このサイズをイメージしにくい場合、日本の有名なお堂「三十三間堂」を思い浮かべてください。
三十三間堂の長さは約120メートルで、ノアの箱舟ととても似ています。
よく絵本などでは船のような形で描かれていますが、実際には「巨大な箱」のような形だったと考えられています。
なぜなら、進む必要がなかったからです。
大雨の中でただ浮かんでいればよかったので、エンジンやかじのようなものもいらなかったのです。
ノアの箱舟に乗せられた動物の数と種類は?
全部の動物を乗せるのはむずかしいので、「同じ仲間の代表」だけが乗せられたと考えられています。
たとえば、ネコの種類がたくさんあっても、その中で交配できる基本的なネコのペアだけでよいということです。
また、成体(大人の動物)である必要はなく、体の小さな子どもたちが乗せられた可能性もあります。
この方が場所をとらず、えさも少なくてすむからです。
動物の総数を計算してみると?
聖書の中には、「すべての肉なるものの中から2つずつを入れる」と書かれています。
つまり、雄と雌のペアを1組ずつ乗せたということです。
研究や推測によれば、全部で約8000種類の動物がいたのではないかと言われています。
合計でいうと、約16000体もの動物が箱舟に乗っていた計算になります。
その中でも、大きさはうさぎくらいが平均で、ゾウなどの大きな動物はごくわずかだったとされています。
動物の分類 | 種類数(推定) | 合計頭数(推定) |
---|---|---|
哺乳類 | 約1,000種 | 約2,000頭 |
鳥類 | 約2,000種 | 約4,000羽 |
爬虫類・両生類 | 約5,000種 | 約10,000体 |
合計 | 約8,000種 | 約16,000体 |
これだけの数でも、箱舟の半分のスペースでおさまりました。
さらに、えさや水、人の生活スペースも足しても、まだ余裕があったと考えられています。
実物大のノアの箱舟がアメリカにある!
2016年、アメリカのケンタッキー州に「アーク・エンカウンター」という巨大なテーマパークができました。
ここでは、聖書に書かれているサイズとそっくりの箱舟を再現しています。
中には展示や体験コーナーもあり、実際に箱舟の中でどんなふうに暮らしていたのかを学ぶことができます。
インターネットの動画などでもそのようすが見られるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ノアの箱舟のミニチュア模型もあるよ!
最近では、ノアの箱舟をテーマにしたおもちゃや模型がいろいろ売られています。
小さなお子さん向けのカラフルなものから、大人でも楽しめるような精密なものまでたくさんあります。
飾りとして置いておくのもかわいいですし、親子で学ぶきっかけにもなりますね。